独特な色づかいで、“命あるもの”をパワフルに描くアーティスト・MEGU WAZOUSKIさん。2012年に大阪から沖縄へ移住し、ご夫婦でカフェ「GOZZA」を恩納村で営みながら、創作活動を続けています。
――ヤンバルクイナや熱帯魚など、沖縄の生き物たちが独特な色彩で生き生きと描かれています。沖縄へ来る前は、どのような作品を作っておられましたか?
「大阪芸術大学で学んでいたころは、絵画ではなく樹脂や金属、木材など、作品によって様々な素材を組み合わせて、立体造形を創作していました。卒業後しばらくは、陶芸でオブジェを作ったりもしていましたね。
でも、当時から今まで、素材や表現方法は変わっていても、大きなテーマは変わりません。「生命力」を表現したくて、創作し続けています。」
――どのようなものや体験からインスピレーションを受けて、創作をしていますか?
「生き物の中でも、命の力強さを感じるゾウが大好きで、野生のアフリカゾウに会いに行ったことがあります。動物園ではないサバンナで暮らす象や、他の野生動物をたくさん見てパワーを感じたことは、今の絵画にも大きな影響を残しています。
また、沖縄に来る前はスペインに短期留学をしていました。私が好きなアーティストや作品が、スペインにルーツを持っていることに気がついたので、もっと知りたくなって行ってみたのです。街を歩いたり、ギャラリーを巡ったりして日本と違う文化に触れるのは、とても刺激になります。向こうは誰でも日常的に絵を飾ったり、美術館にいったりする習慣があって、アートを身近に感じることができました」
――沖縄に来てから、絵画に転向したのでしょうか?
「環境が変わり、立体の造形を作るのは材料や場所が必要なので、絵具と紙さえあればできる絵画をはじめました。実は、ずっと立体作品を作ってきたこともあり、平面の絵画には苦手意識があったのですが…「色」は大好きでした。なので、絵画でも色をいくつも重ねたり、新しい色をつくってみたりと、色彩で表現をしています。初めはアフリカゾウやキリンなど、アフリカで見てきた大型の動物を描いていましたが、沖縄で暮らしながら、亜熱帯ならではの色とりどりの魚や大きな植物に魅せられて、沖縄の生き物を描くようになりました。バナナの花など、これまで見たこともない大きな植物がたくさんあって、面白いですよね。カフェでお世話になっている農家さんの畑を見せてもらう時には、いつも野菜の姿に驚かされます。オクラが生き生きと育っているところとか、描いてみたいものが次々に現れます。
「色」が大好きで、日々新しい色の組み合わせを探しながら作品をつくっているというMEGU WAZUSKIさん。見たままの色ではなく、内面から漏れ出てくるような、様々な色が混ざり合っているのも特徴的です。どうやって色を選んでいるのですか?と聞いてみると、「そのものを見たときに感じたイメージで、優しいとか、強そうとか、自分が感じたことを色にして重ねて行っています」とのこと。あまり重ねすぎると、別の生き物になってしまうので、いつもせめぎあいながら描いていると、楽しそうにお話しされていました。
そんなMEGU WAZOUSKIさんの色とりどりの絵画は、絵はがきやスマホケース、ミラーなどのアイテムにもなっています! イーアス豊崎沖縄の「モーアシビーTHE SHOP」で購入できるので、ぜひ手に取ってご覧ください。
館内では、沖縄の魚たちを描いた原画も見ることができますよ。どこにあるのかは…イーアス沖縄豊崎に来てのお楽しみです!